近畿大学コラボ
110号室
ゴールデンルーム
&
B24号室・B25号室・B26号室
ガレージルーム
Interview
近畿大学文芸学部文化デザイン学科空間デザインゼミ(担当:岡本清文教授)とジャンカラがコラボレートし、個性豊かなコンセプトルームが誕生しました。 同ゼミの学生の方がデザインした2つの部屋(ガレージルーム、ゴールデンルーム)の制作ストーリーについてインタビューを通じてお届けします。 岡本清文教授、4回生の安藤唯人さん、板垣佳奈さん、山内勇大さん、にお話を伺いました。
岡本教授の空間デザインゼミとは?
村田
早速ですが、文化デザイン学科や岡本教授の研究室ではどのような活動をされているのでしょうか?
文化デザイン学科は感性学系とデザイン系とプロデュース系の3つで構成されており、3回生からゼミが分かれてそれぞれの専門領域で勉強することになっています。 私の研究室は主に産学連携のプロジェクトに携わっており、企業から研究の依頼を受けて、学生にも一緒に入ってもらいながらプロジェクトを進めています。 今回のジャンカラプロジェクトでは、私はあくまでファシリテーターとなり、学生主体で活動を行いました。
岡本教授
村田
ありがとうございます。 それでは、学生の皆さんにもどうして岡本教授の空間デザインゼミに入られたのかきっかけを教えていただけますか。
私が受けた授業の中で、率直に一番面白いと感じた授業が岡本先生の授業でした。 一番情熱を持っている先生だとも感じました!
板垣さん
僕は部活もやっているんですけど、コロナによって部活がなくなって、割と時間ができたので、その時に「自分の好きなものは何なのか?」と自己分析したことがありました。 自分の本棚を見た時に建築の本があったり、小さい頃から好きだったレゴがあって、自分の興味はここにあるんじゃないかと気づいて、空間デザインゼミを選びました。
山内さん
空間デザインは立体を作るだけじゃなく、平面のデザインなど全部を網羅しないといけないんです。 壁紙とか建物のロゴとか、色々なことが勉強できると思ったのがこのゼミを選んだ理由です。 あと、板垣さんと同じように1・2回生のときに先生の授業受けて、とにかく先生の引き出しがすごかった(笑) 自分も先生の下でいろいろなことが学べるのではないかと思って空間デザインゼミを選びました。
安藤さん
今回のプロジェクトについて
村田
このプロジェクトが始まった頃、コンセプトルームのデザイン案をいくつか出していただきましたが、どういうことを考えてデザインをしたか、思い出していただいてもよろしいでしょうか。
僕は布施に行くことがたまにあって、街の雰囲気がディープというか、レトロなヴィンテージ家具屋さんとか、ちょっと他の街とは違う雰囲気がありました。 あと自転車で走っていると町工場が目立っていて、そういう要素を入れたいなと思っていました。
山内さん
最初の打ち合わせで村田さんから近畿大学のコラボルームは自由にやってくださいと言ってもらえたのが印象的でした。 自分達に求められていること、学生が考えられることを意識して、普通じゃないようなカラオケを作りたいということを考えてテーマを探しました。
板垣さん
僕は下町レトロというテーマでデザインを考えていました。 東大阪の街の中で自転車や原付を一緒に修理しているお店の雰囲気とか。 あとは今回1Fのモチーフになったスナック風の内装など、ジャンカラさんと考えていることがかなり一致していました。
安藤さん
地元密着型というテーマは最初にお聞きして面白いと感じました。 また、近畿大学らしさを出して欲しいという話もあったので、学生にはかなり自由に考えてもらうようにしました。 常識にとらわれない意見も学生から出てきて、実現は無理じゃないかなと思っていましたが、むしろそうしたアイデアを今回のコンセプトルームに選んでいただけたのが面白かったなと。
岡本教授
(笑)
一同
ガレージルームのデザインについて
村田
今回二つの部屋をデザインしていただきましたが、まずはガレージルームについて工夫したポイントや大変だったことを聞かせていただけますか?
今回部屋に使ったパレットなどの素材は、触ったことがほぼない状態からのスタートでした。 どういう構造なのかの細かいことがわからず、持ってみるとすごく重いし、並べるのも一苦労。 ステンシルアートも普段はなかなかやる機会がないですし、規模感が今までやってきたものと全然違うので、ステンシルを綺麗にパレットの上に置くなど経験したことがないことばかりで大変でした。 ただし、出来上がったものを見たら、すごく迫力が出ていて達成感もありました。
安藤さん
通常、設計というものは、図面上や頭の中で行いますが、今回はそれを実際に作るというところまで一貫してできたことが学生にとって貴重な経験となりました。 重さや質感を実感して、その後に学生はパソコンを使いこなしてすぐにデザインをする。 パレットをデジタル上でレイアウトして、それをすぐに実践に移すところまで経験できたのが非常に良かった。
岡本教授
実際に形にするのが一番疲れた作業でした。 Illustratorでパレットをレイアウトしたり、ステンシルでアルファベットのAからZ、数字、ジャンカラのキャラクター(デルちゃん)なども作らないといけなかったのでかなり苦戦しました。 ただ、ここまで実践的なことは今までなくて、約二ヶ月でプロジェクトをまとめなければいけないというとてつもないスピード感が一番大変なことでした。
安藤さん
授業だったら1つの課題を決められた期間でやるのですが、ジャンカラプロジェクトもやって課題もやって別のプロジェクトもあって、、、 今回がきっかけで自分の苦手だったスケジュール管理というスキルを身につけることができました。
山内さん
村田
私たちもプロジェクトが進む中で学生さんのレスポンスがどんどん良くなっていると感じていました!
3人で夜な夜な電話してスケジュール管理をしていました(笑) 今回はお金もかかっていて、実際に自分がデザインした部屋が出来上がるプロジェクトなのでプレッシャーも感じながらやっていました。
板垣さん
ゴールデンルームのデザインについて
村田
ありがとうございます。 それではゴールデンルームについても教えていただけますか?
近畿大学の明るさと派手さを表現したくて金というワードが出てきました。 金という色は奥が深くて、高級感のある金、派手な金、落ち着いている金など、リサーチをして行く中で様々な金を見つけました。
板垣さん
村田
ちなみに、近畿大学の「キン」という音と「金」を掛けたんですか?
後から、掛けました。
板垣さん
(笑)
一同
そもそも金の壁紙なんか見たことがありませんでした。 そこで、今回のメンバーで金の壁紙をショールームまで行って探してきました。 壁紙を膨大な量から選ぶのは、とても骨の折れる作業でした。 また、カラオケに使える壁紙も制約があり、ここでも実プロジェクトと大学の課題との違いを感じることができました。
山内さん
プロジェクトを終えてみて
村田
それでは最後に約2ヶ月間、ジャンカラとのプロジェクトを経験してみた感想があればお願いします。
2ヶ月とは思えないぐらい濃い時間でした。 とてもじゃないけど2ヶ月でやったとは思えない。 やればできる!ということを凄く感じたので、スピード感をもってこれからもやっていきたいと思います。
安藤さん
初めての経験で、内装関係に凄い興味を持ちました。 今回学んだことは全部知らないことだらけで、常に学んでいるなと感じたので、これからも仕事をしていく中で、もっと学び続けていきたいです。 面白そうなことはなんでもやってみたいなと思います。
板垣さん
僕ももっとこうしたプロジェクトをやってみたいです。 自分が作ったものを友達から「あれ見たよ」と言ってもらえるのがすごく嬉しい。 画面上(CG)で見るのと、リアルで見るのは全然違いますし、今回は特にリアルの良さを感じました。
山内さん
僕らはコロナの影響によって2回生の頃の記憶がほとんどないんです。 家でパソコンに向き合ってZoomで喋って家でご飯を食べて、バイトをすることを繰り返す生活でした。 それに比べると、今回のプロジェクトはなんて大学生らしいことができているんだと感じますし、それがとても楽しかったです。 今は4回生なので残り少ない大学生活ですが、完全燃焼したいです。 これから卒業制作もありますし、岡本研究室にはたくさん研究の依頼が来ると思います。 ここにいることはとても運が良いことですし、掴めるチャンスはどんどん掴んでいきたいです。
安藤さん
あと、このプロジェクトを通じて同級生や後輩と仲を深めることができました。 実はこの三人も最初は会話が少なかったんです。 でもジャンカラプロジェクトをきっかけに仲良くなることができました。
山内さん
村田
そうだったんですね。 学生時代の友人は今後も大事な存在だと思うので、みなさんが仲良くなるきっかけになれて良かったです。 それでは最後に岡本教授からプロジェクト総括をお願いします。
自分が学生の頃を思い出すと、その時もデザインの勉強をしていて、3回生の時にチームで事務所を作りました。 みんなで営業に行って、「喫茶店のメニューのデザインの仕事を取ったよー」とか言いながら工夫しながらやっていた。 それはそれで良かったんだけど、リアルな仕事、特に学生がやる空間デザインの仕事というのは当時ほとんどありませんでした。 私は会社に入って3年目で歯医者のビルの設計を担当しました。 その当時、自分の設計が出来上がったことがすごく嬉しかった。 規模感は違うかもしれないが、今回のプロジェクトを通じてそういう喜びを学生の間にできるということは私から見ても非常に羨ましいことです。
岡本教授
村田
こういうことを学生の間に実現できる大学自体がそもそも少ないですよね。 近畿大学とジャンカラだからこそ実現できたプロジェクトだったと思います。 岡本教授や学生の皆さんとご一緒できてとても素敵な時間を過ごさせていただきました。 どうもありがとうございました!